プライド | 祇園ホステス ミチルの日記

プライド

「プライド」・・・歌にもありましたね。


今日はこのプライドについてです。


プライド・・・は頑張ってこられた方、頑張ってる方、
皆さんお持ちだと思います。


その、「プライド」というものはみなさん同じものなので
しょうか・・。


社長さん、役員の方、従業員の方、先生と呼ばれる方、
そして私達「ホステス」と呼ばれる人達・・・。


意味は同じことになると思いますが、そのものさし・・は
それぞれ違うような気がします。


何がいいたいのかと言いますと、ある方から見ると
「プライドがない」・・と思われることでも、その本人、その
業界の人から見ると立派なプライドであったりする・・
ということです。


具体的に一例を出しましょう。


私達ホステスは接客のプロです。いかにお客様に
楽しんでいただくか、トラブルがあっても、いかに上図に
収拾を図るか、いかにして私(お店)を気にいっていただくか
等々に苦心しながらも日々経験を積み重ねています。


前の日記にも書きましたが、触ってくるお客様には
防御手段として、こちらからお客様の手をにぎったり、
太ももに手をおいたりもします。


お酒の一気飲みをしたりおどったりすることもあります。


そのような行為を見て、中には「プライドがない」・・と
おっしゃる方もいます。


確かにほんとにだらしないホステスも中にはいることは
事実です。


でも、私達から見ると、同じような行為でも、洗練された
ほんとに見事な接客術をプライドを持ってしておられる
お姉さんはたくさんいらっしゃいます。


それぞれのお姉さんのカラーで積み上げられた接客術。


そう、私から見ると輝いて見えることすらある接客。


それこそそのお姉さんの「プライド」だと私は思います。


よく仕事で「あの仕事は楽でいい」というようなお話を
聞くことがあります。


これについて、お客様のRさんがおっしゃって下さいました。


「ミチル、さっきのお客さん達はあっちの仕事は楽で、俺たちの
 仕事はしんどい・・というような会話をしていただろう。」


「はい、そうですね。」


「私も会社に入った頃、経験のために営業を4年ほどしたん
 だけど、その頃同じようなことを言ったことがあるんだ。」


「営業は目標があり、出来ないと精神的なプレッシャーが
 あるんだ。だから社内の事務の人間を見て、時間が
 来たら帰れてプレッシャーもなく、気が楽でいいなー。
 と愚痴を言ってたことがある。」


「でもなー、ミチル。その後営業を離れて内部の人間に
 なった時わかったんだよ。それぞれのセクションに
 それぞれのしんどさ、つらさがあるんだって・・。」


「よそのことを楽だ・・とかいうのを聞いていると、たいていは
 自分のしんどい部分を相手と比較して言ってるんだな。」


「それ自体は確かにそうなのかもしれない。でも相手の
 しんどくてつらい部分は何も考えていない。」


「私は違うセクションに行ってはじめてそれがわかったんだ。
 だからそれ以来、他のセクションのことを楽でいい・・とか
 愚痴ったりすることはやめたんだよ。」


どうでしょう。すばらしいお話だと私は思いました。


それぞれのお仕事、それぞれのセクションに良い、悪いとか
軽々しく言ってはいけないんだと・・。


その方が、プライドを持って頑張って仕事をしているか・・
ということこそが大事なんだと学ばせていただきました。


お話が長くなりました。ごめんなさい。


これからもいろいろな方のお話を聞いて自分なりに
吸収して行きたいと思っています。


そしてホステスという職業こそ、たくさんの良いお話を
聞ける職業だと感じています。


私も一人前?のプライドを持てるように頑張ります。