男性の友情 | 祇園ホステス ミチルの日記

男性の友情

今日は私のお客様にお聞きした男性男の友情」のお話です。


お客様のHさん。京都でインテリア関係の会社を経営
されており、商品を全国に卸しておられます。


仕事優先で祇園に出られた時は私のお店にしか
いらっしゃいません。


このHさん。私のブログに登場するS社長の大親友。


学生時代からの親友で、大学を出てお互い違う道に・・。
Hさんは家業のギフトの会社を手伝い、Sさんは某大手
企業の研究室に入社されたとのこと。

(Sさんは今は独立され大きな会社の社長さんです。)


ある時、Hさんがしみじみと私に語ってくださいました。


「ミチル、俺とSが親友だってことは知ってるよなー。」


「はい、もちろん知ってますよ。」


「Sは一生何があっても・・っていう親友なんだ。」


「はい・・・。」


という感じでお話が始まりました。


お話の内容はというと・・。


Hさん、家業のギフト会社の経営が思わしくなく、
あるとき倒産寸前に。


もう金策も尽きて、Sさんにお金を貸してくれないかを
お願いされたそうです。


その時のSさんはまだ就職されて2年ばかり、
まだ蓄えというほどのものはなかったとのこと。


でもSさんはこう言われたそうです。


「H、今の俺にあるのは銀行に預金が50万あるだけだ。」


「通帳と印鑑を渡すから、使ってくれ。」


「ただ、お前の会社は言いにくいが、もうだめだ。」


「この金は出来たら、支払いに回さず、その後の生活の
 足しにしてほしい。」


でも結局Hさんは会社の決済に使ってしまい、会社は
倒産、夜逃げ同然の状態になってしまったそうです。


HさんとSさんは連絡はちゃんととっておられたので
SさんはHさんにこう言われました。


「H、何か俺にできることがあればいつでも言ってくれ。」


「だがお前に貸した50万は、お前が将来ちゃんと収入が
 入るようになったら少しずつ、何年かかってもいいから
 俺に返すんだぞ。」


「それがお前との信頼関係だ。」


とおっしゃったそうです。


その後Hさんは頑張ってSさんに50万円を完済。


親戚のインテリア関係に勤めていたHさんは、その会社
から販路を分けてもらい、独立を決意。


でもHさんには会社を作る資金がありませんでした。


そしてまたSさんに相談されたそうです。


「S、お前が経営者でいいから資金を出してくれないか?」


するとSさんははっきりとこう答えられたそうです。


「H、お前はちゃんと50万を返してくれたよな。決して
 試したわけじゃないがお前はほんとの親友だよ。」


「この会社はお前の会社だよ、俺はいっしょに仕事をする
 時間も知識もないからな。共同経営にしよう。」


「必要な資金を全額私が出したら私の会社になってしまう。
 だから新しい会社には俺は半分出資するよ。残りの
 半分は俺がお前に個人的に貸してやるから、そのお金を
 会社に入れろ。そしたら出資比率は半々だから共同
 経営だろ。」


と、このような経緯を経て、Hさんはその会社を大きくして、
今では立派な社長さんになられました。


Hさんは、最後にこう言われました。


「ミチル、あの時の50万はSにとっても大きなお金だった
 はずだよ。」


「それをあいつはすぐに貸してくれたんだ。」


「そして必ず返せと言われた時、Sの気持ちが伝わってきて
 すごくうれしかったよ。」


「おかげで今がある。」


「だが、Sは共同経営のくせに商品知識もないし、手伝って
 くれることもないけどな(笑)。」


「そして給料も満足に受取らないんだ。」


そう言うHさんの目はうっすらと涙ぐんでおられるようでした。


思わず私も涙ぐんでしまいました。


男性の方の友情っていいなー・・と痛切に感じてうらやまし
かったですね。


私も人を裏切るようなことがないように生きていきたいと
思います。